「絶対アイドル辞めないで」なんて言えなかった。1人の人間として、まったく違う夢を叶えて幸せに暮らす権利がある。それがどんな形であってもただの他人である私がそのことに口を出すのはおかしい。
そう分かっていても、もし既にまったく切り替えて今までとは違う人生を歩んでいるのだとしたら、こんなに落ち込んで、こんなに絶望している私が惨めで仕方なく思えた。こんなに執着して忘れられないのは私だけで、本人は全然そんなことなくて、もう切り替えて楽しく過ごしているのかもしれない。元気でいてくれたらそれで良いよ!と願う気持ちに嘘はないけれど、もし本当にまったく平気で新しい人生を過ごしているのだとしたら、それは寂しい。
でもその寂しいなんて気持ちは私のエゴでしかないことも分かっている。私は時間を掛けてその気持ちを整理していかなきゃいけないんだと思っていたし、そのつもりだった。本当にそのつもりだったんだよ。
大晴くんがこれからアイドルとして活動していくと発表したときに、私はいつも大晴くんに、そこまでやる?!?!と驚かされてきたな〜〜〜〜〜ということを思い出したのだった。
クイズ番組で爪痕残すためによく分からないギャグをするのも、プールに入るときにワイパーしながら飛び込んでいたのも、まだまだAぇがデビュー候補だなんて言えない頃から夢は5大ドームツアー!と大き過ぎる夢を掲げていたのも、些細なことから大きなことまで全部そうだった。
戻ってきたことに対して否定的な気持ちを持つ人がいるのは当然だと思うし、現実問題としてこれからの活動が茨の道であることは明らかだ。
ただ行き場をなくした大晴くんのオタクとしては、私がアイドルの姿を諦めきれないくらい大晴くんもアイドルでいたかったんだなと思えたことが、それがただ嬉しかった。この人は「アイドル」がやりたいんだな、と思って見てきた今までの記憶は間違っていなかったんだなと思えた。
あのワイパーの子なに?と思って気になって大晴くんを見始めたとき、こんな絶望を味わうことになるとも思ってなかったし、こんな未来が来るなんてことも思ってなかったよ。
明日から大晴くんの1stツアー「よんもじ」が始まります。
どんなことをするのか、どうなるのかはわからないし、正直なことを言うとこの公演を見て自分が何を思うのかもまったく想像ができない。
ただ健康第一で、最後まで無事に完走できますように。大成功しますように!